この記事を読んでいただきたい方
●企業法務を目指している学部生・ロースクール生
●企業法務に異動をするか迷っている方
どうもー
今回は企業法務のお話です。
以前、この記事で法務部の業務をざっくりご紹介しました。
今回はもう少し踏み込んで、
企業法務の業務の中でも、私がつらいと思った業務のトップ3
を挙げていきたいと思います!!
私は、
・企業法務歴4年
・国内外問わずいろいろな案件に携わる
・転職して年収100万円アップ
まで実現しています。
その経験を踏まえて、
・ランクインした法務業務の詳細
・その法務業務がつらい理由
お話していきたいと思います。
第3位:M&AやJVなどの大型案件
こちらは、先述の企業法務の業務内容をご紹介した記事でも記載しましたが、突発的に発生するものになります。
法務部の業務としての「やりがい」はトップクラスです。
求められる知識も多岐にわたり、また会社へのインパクトも大きい案件になります。
その一方で、業務の負荷は非常に大きいので、第3位としました。
以降、その詳細をご説明していきます。
法務業務の詳細
(前回の記事と重複するところもありますが、ご了承ください。)
契約審査
M&AやJV設立でも当然第三者となんらかの取り決めをする必要がでてきますので、契約書が発生します。また、案件が大きいとTS(タームシート)と呼ばれる、案件の骨子を取り決める書面を締結することもあります。
これに付随して、M&AやJV設立のストラクチャーについて、経営陣に提案することもあります。
法務デューデリジェンス(法務DD)
これに加えて、買収対象会社を調査するデューデリジェンス(DD)も担うことがあります。
法務部はその中の法務デューデリジェンス(DD)と呼ばれる部分を担当します。
細部には踏み込みませんが、買収対象会社が法務的にリスクがないか、リスクがある場合にはそのリスクにどう対応するか、を確認することになります。
弁護士に丸投げして、会社と弁護士の橋渡しだけをする場合もありますが、法務部自らデューデリジェンス(DD)を行う場合もあります。
法務業務がつらい理由
業務時間が急増する
この業務は先述の通り、突発的に発生します。
しかし、通常の会社のビジネスもこれまで同様発生し続けます。
従って、単純にM&A等の分だけ、業務時間がそのまま乗っかることになります。
それに加えて、M&A等は、デッドラインが引かれており、素早いレスポンスが求められる一方で、近年M&A等のストラクチャーは複雑化していることに加え、場合によっては独禁法等の当局対応も必要になってきます。
素早いレスポンスが求められる&検討事項がたくさんある
→業務時間を増やして対応するしかない。。。
第2位:規模感とリスクが小さい契約
日々の契約審査の業務のうち、規模感が小さかったり、リスクがほとんどない契約の契約審査でつらいと感じることがあります。
法務業務の詳細
基本的に、会社で行う契約は、すべて法務部でチェックする、というルールにしていることが多いです。
その中には、
「こんな契約別にみなくていいだろう、、、」
という契約が、正直あります。
法務業務がつらい理由
単純につまらない
つまらないわりにバリューが少ないです。
案件によって緩急をつけることを許してくれる上司であればましですが、
コンサバすぎる上司にあたると、このような案件でも完全なリスク排除を求めてくるので、余計な労力を食うことになります。
これに加えて、さきほどのM&AやJV設立と比べると、
学びがまったくないので、単純に時間がかかるだけです。
単純作業をしている感覚になるので、
「頭を使った知的な仕事がしたい」
と思って法務に入った方はこの業務は結構ストレスになると思います。
一方で、当然新人にはM&AやJVをいきなり任せてもらえることはないので、
大きい仕事がしたい、という思いで法務部を志した方でも、
このような業務を確実にこなして成果をあげていくしかありません!
第1位:事務作業(契約管理など)
他の部署でも同じでしょうが、法務部でも事務作業というか、専門的な知識が求められるものではない業務というものが、少しは発生します。
法務業務の詳細
主に発生する事務作業は、「契約書の管理」です。
締結された契約書は法務部が管理する場合があり、
それらを受け取り、データベースに登録して、原本を保管するというものです。
このような業務はおおよそ新人がやらされることになります。
また、法務は毎年新人が入る部署ではないので、数年はやることになります。。。。
法務業務がつらい理由
つまらない、時間がかかる、生産性がない。。。
こんなことをやるために勉強してきたわけじゃない、、、、
という気持ちになります。
しかし、第2位でも記載した通り、
こういうしょうもない業務でも、きっちりミスなくこなしておかないと、
本来やりたい業務に携わるのが遠のくことになります。
さいごに
いかがだったでしょうか?
法務部を希望する方にとって、
「仕事としてはきついが、法務として自己成長が実現できる。」
ということよりも、
「仕事としてはきつくないが、単純作業や法務としての仕事ではない業務」
の方がつらいのではないかと思います。
そのため、上記のような1位、2位となりました。
意外とこのあたりが語られている記事がなかったので、
率直なところを記載して、ランキング形式でご紹介しました。
もし、他に気になることがございましたら、ご連絡いただけますと幸いです。
ほな、さいなら~