この記事を読んでいただきたい方
●日本茶に興味がある方
●壷切茶がどのようなものか知らない方
どうもー
今回は日本茶のお話です。
私が日本茶の中でも特に大好きな、「壷切茶」の販売が愛好している丸久小山園にて販売が開始しておりました。
あまりメジャーなお茶ではないと思いますが、私が大好きなお茶なので、この記事を通じてみなさまに知っていただき、ぜひ飲んでみていただきたいと思います。
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壷切茶とは
まずは「壷切茶」がどのようなものなのかご説明したいと思います。
抹茶や煎茶などの一種のように思われるかもしれませんが、「壷切茶」というお茶の種類があるわけではなく、通常それらが加工される手順と異なる手順で加工されているお茶になります。
なので壷切茶の説明の前に、通常、日本茶が採取されてからどのような加工をされているか知っていただきたいです。下記画像を御覧ください。(伊藤園HPより)
この中でも特に重要な「生茶」「蒸熱」「荒茶」のところをご説明します。
日本茶はチャノキから摘まれた葉っぱ、すなわち「生茶」をすぐに「蒸熱」にかけることで、「生茶」が発酵するのを止めます。そして様々な工程を経て「荒茶」の状態にして、茶葉の大きさや質ごとに選別されて、完成品として我々の手元に届くことになります。
実は「烏龍茶」や「紅茶」なども日本茶と同じチャノキという品種から摘まれた葉を利用しているのですが、それらの違いを生じさせているのは、「生茶」を発酵させるか否か、なのです。(ちなみに微生物による発酵ではなく、カテキンなどの酸化酵素による発酵です。)
そのため、「蒸熱」を加える工程は日本茶特有の工程で、これが日本茶足らしめているといっても過言ではありません。
さて、日本茶の製造過程のポイントを見ていただきましたが、「壷切茶」は「荒茶」まで加工を行ったら、すぐにそのまま完成品へ向かうのではなくその名の通り、「壺」に入れられます(現代は違うようですが。)。そして、およそ半年(茶つみの時期である4~5月から秋)冷暗所にて寝かされられます(昔は壺のまま涼しい山奥においていたようです。)。
そして秋になると、その「壺」の口を切って開けることから「壷切茶」と呼ばれるようになりました。
飲み方
結論、お買い求めされたお茶の案内に書いてある通りに入れれば間違いないと思います。笑
それぞれの好みや、お茶の質、茶葉の揉み具合によっても抽出のされ方が違うので、ケースバイケースでいろいろ試行錯誤するしかないと思います。そのため、まずは製造元が推奨している淹れ方を基準として、そこから、ご自身の好みの淹れ方を探していくといいと思います。
とはいえ、これで終わってしまっては面白みがないので、私の淹れ方を紹介しておこうと思います。
ここでは「壺切の煎茶」に絞ってお話していこうと思います。
こだわりポイントとしては、「壷切茶」らしさを活かす淹れ方をしよう、というところです。
煎茶にもいろいろありますが、季節で分けると「新茶」「壺切茶」「通年ある通常の煎茶」と分けられます。
私のイメージですが、「新茶」は香りが爽やかで味わいすっきり、「壺切茶」は香りがふんわりで味わいまろやか、という感じです。
前者は一番茶を使っており、後者は熟成させたお茶なので、イメージしやすいかと思います。
「壺切茶」は香りがふんわりで味わいまろやか、これを活かすためにはどのような淹れ方をすればいいのでしょうか。
簡単です、低い温度でゆっくりやさしく淹れるだけです。
もう少し具体的に言うと、70度で1分抽出して湯呑に注ぐときは緩やかに傾けて注ぐ、という感じです。
- お湯を沸かします。カルキ臭さを取り除きたいので、水道水を使っている場合で電気ケトルを使っているときは、沸いたら蓋を開けて蒸気を逃がしてあげてください。
- 沸いたお湯を急須に淹れます。急須が温まったら、次はそのお湯を湯呑に入れてください。
- さらにそのお湯を別の湯呑に注ぎます。これでだいたいお湯の温度は70度になっているはずです。なぜなら、お湯を別の容器に移すときに約10度下がるからです。厳密にやりたい方は温度計を使ってもいいと思いますが、家で手軽に淹れるにはこの方法を使うといいと思います。
- 急須に茶葉を入れて、お湯を優しく注ぎ入れます。
- 蓋をして1分待ちます。
- 温めた湯呑に急須からお茶を注ぎます。ここも勢いよく淹れるのではなく、ゆっくりやさしく入れましょう。そして最後の一滴が落ちるまでゆっくりお茶が香り立ってくるのを楽しみましょう。
さいごに
いかがだったでしょうか。
今どきはなかなか日本茶を自宅で自分で淹れる方は少ないかもしれませんが、季節をお茶で感じるのもおつではないでしょうか。
ほなね。